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ハイリスクの3条件


ハイリスクの3条件

通常ハイリスクと呼ばれるリスクの高い3つの条件というのがあります。

その3つの条件とは;

  • ヒト
  • 場所
  • 時間

のことを言いこれをハイリスクの3条件と言います。

この3条件をオープンウオーターに当てはめて見ますと

(1)人

スイムレースに出場する「人」が第一の条件となります。その人を考えるにあたってスイムレースの参加対象をまず考えてみましょう。スイムレースを開催する場合には「参加者は年令・性別・泳力・参加目的***とひとそれぞれである」ことを認識した上でレースに見合った対象を定め、それにあわせて大会運営を行うことが必要となります。

■このレースにはスイマーが何人参加するのだろうか?

■地域市民を対象とした初心者レベルなのか?

■中級レベルの一般スイマーを対象とするのか?

■ジャパンクラスの上級レベルなのか?

■あるいは年齢層から考慮し、ジュニア大会なのか・マスターズを対象とし、特に高齢者の多く出場する大会なのか

等々によって当然コースや種目に影響が出てくるように“人”を即ち“参加者のターゲットを細分化”して具体的な大会をイメージしながら全体企画をすることが重要となります。

具体的なアクションとしては大会当日のリスクを低減するために以下のことを考慮します。

■要注意スイマーの把握

当日の選手登録デスクでの受付場所から要注意スイマーの把握をしてゆき、あきらかに体調のすぐれない人や・飲酒の有無・未成年者・高齢者対策・障害者への配慮などについてレースの開始まで常に確認作業をおこなってゆきます。場所によっては医師又は看護師を常駐し、問診をおこなう。

■混雑緩和(クラウドコントロール法)

これはパニックを避けるために一度に多くの人が集中したり、それによって混乱をきたすことのなきように導線を作ってゆきます。また一度にスタートする最大限の人数を想定する。

※不快な思いをされないよう充分配慮しながら参加者とのコミュニケーションを通じてスイマーの状況や混雑状態などを察知して問題があればすみやかに対応するよう心がけます。

次に(2)「場所」の考慮です。

どのような場所で実施されるのか、

  • 海なのか
  • 湖なのか、
  • 川なのか、
  • あるいは一般の海水浴場を利用するのか、遊泳禁止の海岸なのか

場所がきまると次に

  • その海(水)域に船舶の通行があるのか、プレジャーボート又はジェットスキーの利用頻度はなどを含めてレース会場が安全面から十分開催可能な場所なのかを検証します。

場所も決定にいたるまでの苦労は意外と大変です。特にコースの設定は毎回苦労の種。みなさんはビーチにそってコースロープを張り、「安全ですよ・さあ泳いでください」と言ってレースの開始を通告したら“満足されますか?”。

最後に考慮しなければならないのは(3)「時間」です。

みなさんもご存知のとおりほとんどのスイムレースは早朝・午前中に行われます。

やはり水面の安定している(リスクの少ない)早朝から午前中を利用して実施します。レースが午後にずれ込むにつれて風の影響によって波が立ち、時には白波がたったりします。特に海はほとんどといっていいほど午後になると海の状況が一変してきます。

同時に潮の干満時間との関係が重要課題となります。いま潮が沖にむかって引いている状態なのか?あるいはビーチにむかって上げている状況なのかを的確に判断してレース進行をしてゆく。一般的には午前中と午後では海の状況が風の関係でかなり変わってきますのでそこを考慮し、時間の推移にあわせて日差しを考慮することも重要(逆光によって水面が見えにくい状況が生じる)。

  • どの方向から太陽がさして来るか、
  • どの方向へ太陽が移動してゆくのか

これは海上監視体制にも大きく影響してくることを理解する。そして午後(昼食をとってすぐの時間帯)に行われるレースは参加者の注意力が緩慢になるので要注意。

このように人・場所・時間を考慮することによってリスクは確実に低減できるのです。

これらの条件は運営側だけでなく、選手もこれらを学習することによってレース運びの点で非常にプラスとなるのでぜひ知っていてほしいと考えます。

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