第四段階:前向きなレース心理
第四段階:前向きなレース心理
感覚にだまされるな;
- 自分のフィーリングを大事にして泳ぐスイマーがほとんどであろうが、気をつけなければならないことは自分が通常トレーニングをしているプールが室内である場合にその感覚がオープンウオーターではまったく違ってくることを認識しておかなければならない。それは水温しかりです。30度くらいの場所でトレーニングをしているスイマーにとって水温24度(通常の海では最適の温度)にもかかわらず、「すごく冷たい」感覚を持ち、そのために半ばパニックになってトレーニングでやってきたことをすべて忘れてしまい、ペースを失いいい結果がだせないことがよくあるのです。水温についてはあなた一人だけでなくみな一緒に海に入ったスイマー全員が同じように感じているはず・波の状況も同様であなた一人が大きな波をかぶるのではなくみな同じ条件で泳いでることを忘れずに。
<ヒント>
お風呂で試してみる。
毎日入るお風呂で温度の調整をしてみてはいかが。時には冷たいお風呂に使ってみると自分の体温との違いによって非常に冷たく感じるもの。その慣れが重要なのです。
あまり全力を出しすぎるな;
当然大きなレースなどではスイマー全員が緊張状態でスタートし全力っで泳いでタイムを争うのであるが、その全力という意味は100%出し切ることではないのです。途中でスタミナ切れを起こしアップアップしたり、完全にスローな状態で後半すべてを泳ぐことにもなりかねません。
ペースを考え常に余力を残しておくこと。それには常にリラックスさせることを心がけてください。不安ばかりが頭をよぎると緊張状態から筋肉も硬直し、酸素の摂取量も増大し・疲労も増す。とにかく頭も切り替えてリラックスした状態で自分のペースを掴んで楽に泳げる上体を作り出そう。
冷静に・冷静にいこう;
スイマーはトレーニングを積んでくれば来るほど、そのレースにかける思いは強く、ついがんばりすぎてしまうというか、チカラが入りすぎて我を失ってしまうことがある。こんなトレーニングを積んできたのに・この日に併せて長い期間調整してきたのに」などと考えすぎると緊張度が増し・その結果周りの状況も見失い気がついたらエネルギーをすべて使い果たし・最後のスパートも聞かない状態になってしまう。とにかくいったんレースがはじまったら常に頭を冷静にして・じっくりとあわてずに他のスイマーのペースに巻き込まれずにレース全体を考えながらその場その場での的確な判断をしてゆこう。
ただがむしゃらに泳ぎきろうとするのではなく、スタートして回りのスイマーの状況を把握し・どこに自分のスイムエリアを見つけ、第一ブイまで最短距離を泳げるかに集中し、ブイ周辺になったら当然スイマーはブイの周りに集まってくるので、巻き込まれないようにアウトインアウトの要領でむしろぬけた音にすぐにスピードアップが出来るようなポジションをとること。
そして第二ブイまでの長い直線コースは一人だけになるのではなく、なるべく一緒に泳いでゆける仲間を見つけてグループで泳いでゆくこと。ここで単独になって孤独感を味わうことになると精神的にもきつい状態でずっと泳いでゆかねばならなくなる。ドラフテイングというテクニックを使って同じようなペースで泳ぐスイマーの後につけてまず自分の安定したペースを作り出すこと。
しばらく泳いでいて自分のペースが他の周りのスイマーより速く行けるという確信がもてたらはじめてその集団を一気に抜け出し、前のグループにつくか、前の集団までどれくらいの距離があるかを判断して泳いでゆく。ネガテイブスプリッツのトレーニングをつんできたスイマーは充分後半が勝負だということがわかっているので第2ブイを回ってから本当の勝負だと思っている。
第2ブイからゴールまでの距離を把握して自分がどのペースで泳ぎ、ラストスパートをどの位置でかけてスピードアップをすればよいかを冷静に判断すること。
レースが熱くなればなるほどスイマーは冷静さが重要になってくる