スイムレースにおけるライフガードの主要な任務とは
スイムレースにおけるライフガードの主要な任務とは
スイムレースにおけるライフガードの主要な任務は『溺死』を防ぐこと。
その為に;
- スイマーの進行を管理し、
- スイマーの行動をコントロールし、
- スイマーに健康と安全を提供することです。
別な言い方をすればライフガードは;常に事故の発生を想定した
●事態の予測
●発見の手順
●処理の能力
が問われるのです。
<解説>
事態の予測:
レースがスタートして、コース全体において事態を予測するためにはライフガードを正しいポジションに配置し、かつそれぞれのガードが自分のゾーンを設定します。ゾーンとはライフガードが割り当てられた区域を責任をもって監視できる領域のことであり、そこでは規定のプロテクションルール(発見・当到達・事態の把握・確保・措置)にもとづいて監視を行います。
監視についてはスキャニング(自分のゾーンを確実に監視する)というテクニックを用いて行い、そのスキャンパターンはいくつかあるのでその場に適したスキャンパターンを用いて監視を行います。
発見の手順:
発見の手順は第一レスポンダー(第一発見者)がまず、異常事態発生地点まで到達して、事態の把握を行います。一般的には溺者が水上・水中・水底のいずれかにあって意識がある・意識がないに識別し、一人で対応が可能か・あるいは第二・第三のレスポンダーが必要なのかを判断して、必要ならば救助の要請を行います。但し、レースにおいては海水面が広いこともありライフガードが異常事態を発見することが困難であるのでなるべく選手側からのシグナルを発信して、そのシグナルにもとづいて行動することになります。ここでは重大事故を防止するためにも、選手個人の決断が重要であり、早めな判断をしてライフガードへシグナル(大きく片手を振る)を出していただくように御願いする。
処理の能力:
ライフガードは選手からのシグナルを受けて、速やかに異常事態発生地点まで到達して事態を把握する。“選手への声かけ“をしてアシスト(手助けを行ってチューブなどを投げて選手側からつかませて自己保全をおこなう)かレスキュー(ライフガードが選手を確保し、ボードやジェットなどへ救助する)のいずれかの措置を施すことになります。万一選手の意識がなかったり、水中へ沈みかけている場合には第一レスポンダーであるライフガードがトレーニングで培ったレスキュースキルを用いて溺者を保全した後に、第二・第三のレスポンダーを要請して、ゴール地点の大会本部に設置されている救急医療班に搬送をおこなう。
海上監視をおこなうライフガードは常にチームとして行動し、コミュニケーションととりながら行動するチームワークが重要であり、それに加えて選手コミュニケーケーションを通じて事故の防止に努めることが責務である。重大事故に至るまでには必ず予兆があるもの。その小さな予兆を見逃さずにひとつひとつ粘り強く活動しなければならない。そのためにスイムレースでは常に選手にとって“良き案内人(ナビゲーター)”としての意識をもってほしい。