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リスクを回避するために


リスクを回避するために

競技当日はレース前の危険度チェックを行い、レース開催条件を満たせば大会を実施します。たとえ同一会場であっても毎回条件が異なりますのでこのような手続きを踏まなくてはなりません。

当日、スタッフが配置に着き、あくまで安全の確保を前提とし、20項目にわたって(天候・気温・風力・海水温*********)調査報告を書面にして保存します。

  • 当日の海の状況により、安全が確保できない場合にはやむなく中止の宣言や、あるいは競技コースの変更・距離の変更などを通告してレースを開催する場合もあることを参加者の皆様はご理解ください。

※コース変更等があった場合には大会本部テントにて新たなスイムコース等を図にして選手の皆様にご理解いただけるような措置を取るようにしております。まだまだ不十分かもしれませんが、今後これらの体制についてもご満足いただけるよう努力をしてまいります。

  • 当日の海の利用者のチェック

レース当日の利用者をチェックします。これは2つの項目:公共空地(いわゆるビーチエリアの陸地)と海水域(海水浴場と占有する海水域)のこと。公共空地については当日スイムレースのために占有する部分と一般遊泳客エリアに分かれてチェックをおこないます。あくまで地域住民並びに一般海水浴客に邪魔にならないような工夫をし、また競技者との接触の危険性などをあらかじめチェックし、すこしでも危険性があればただちに必要な措置をとることになります。

海水浴場はエリアが限定されていて通常はロープやブイなどで仕切られているのでそれらの一部使用をするか・あるいは一般遊泳客と離れて海水域にでてゆくかなどのチェックをおこないます。そして海水域の利用についてはあらかじめ同意書にもとづく許可を得ていることを他の利用者(ジェットスキーやヨット・ボート製リングなど)にも事前告知をおこない、スイマーとの接触を回避するためにライフガードらと事前協議をおこないます。

※参加者全員のチェック(エントリー者)

参加者チェックとはエントリー表にもとづき、最終参加者数の確認・種目と年齢別の参加者数・時間の推移・スタートの方法・会場での監視体制・ゴールでの着順判定の方法などに活かしてゆきます。競技要項にはいっせいスタート・分割スタートなどと記載されてはいますが当日の全体協議により、競技委員長が最終的なスタート方法を決定します。

※要注意スイマーの把握

当日の選手登録デスクでの受付場所から要注意スイマーの把握をしてゆき、あきらかに体調のすぐれない人や・飲酒の有無・未成年者・高齢者対策・障害者への配慮などについてレースの開始まで常に確認作業をおこなってゆきます。

混雑緩和(クラウドコントロール法)

これはパニックを避けるために一度に多くの人が集中したり、それによって混乱をきたすことのなきように導線を作ってゆきます。

欧米などではF1レースや。フットボール大会・デイズニーランドなどのテーマパークなどでの混雑をいかに緩和するかという『クラウドコントロール学』という専門課程の学問があるそうです。そしてその分野の専門家(スペシャリスト)が必ず会場には配置されているのです。日本でもそのような専門家が必要な時代が来ているでしょうか。

早めの指導・勧告

いざレースが始まると、海上でのライフガードに安全上の責任が委譲されます。あらかじめ監視体制を組んでスイマーに直接コンタクトをとるボーダーと呼ばれるレスキューボードに乗ったライフガード・緊急時の対応及び全体掌握のためのPWCレスキューライフガード(※このレスキューシステムは今後機会があればご説明をいたします)そして大会によっては監視船に乗った海上観察員などが全体の協力体制を密にして安全を期します(これをチームライフガーデイングと呼びます)。あくまで危険性の認識の判断は海上のライフガードに任されているので早めの指導や勧告を行い危険を回避してゆきます。当然、海上監視と大会本部との無線交信によって常にレースの状況を本部側で把握し、海上からの緊急連絡に備えます。

※ライフガードたちは資格保持者ですが、ただレスキューのスキルがあればいいというものではありません。安全を確保する上では、彼らは海の案内人(ナビゲーター)としての役割が非常に重要な要素なのです。このようにレース会場の決定からスイムレース当日までリスクを回避するためのいろいろな方策が講じられているのです。このように多くのスタッフがかかわってスイムレースが開催されているのだと理解していただければ嬉しく思います。

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