レース前のウオームアップ
レース前のウオームアップ
レース前のウオームアップは以下の手順に従って行ってください。
(1)BREATHING EXERCISE(呼吸練習)
まずブレスコントロールと心肺能力を高めるために呼吸練習を行います。具体的には;
■足をやや開いて直立してください(手はまっすぐ下に)、大きな息を一回ゆっくりと吸いながら手をゆっくりと両側に開き、そのまま上に上げてください。そして今度は息を吐きながら上から元の位置まで手を戻してください。これを10回繰り返してください。
■次に直立して足を肩幅よりやや広めに開いてください。そして息をゆっくりと吐きながら前屈み(お尻をつきだして)になり、足の甲と平行になるまでかがんでください。今度は息を吸い込みながらゆっくりと姿勢を元に戻してください。これを同じく10回繰り返します。
■最後に両腕が耳を覆うように真っ直ぐ上げ、頭の上で両手を組みながら大きく息を吸い込み、呼吸を止めて5秒間カウントしてください。そして一気に脱力をして腕を戻してください。これを10回繰り返してください。頭上で5カウントしたのちにその緊張を一気に脱力するのがコツです。
(2)FELEXIBILITY EXERCISE(柔軟運動)
スイマーにとって柔軟性を必要とするのは肩と足首です。以下はその為の運動方法です;
<肩>
- まず固定された柱か壁に向かって立ちどちらかの腕を壁に沿って肩と同じ高さに上げてください。(手のひらを壁にむけて)、そしてそのまま身体を腕とは反対方向にむいてゆき腕全体が伸びきるまで反転し、限界点でそのまま肩の緊張状態を保ち5秒間カウントしてリリースして下さい。
この運動を3回繰り返す。次に反対側の腕も同様に行います。
2)今度はタオル両端を両手に持って真っ直ぐ上げ、そのまま後ろに反らしてください。(これを肩入れという)そしてゆっくりと後ろから前に戻してこれを4回繰り返します。肩が柔らかい人はタオルの握る幅を狭めて行ってください。また肩の固い人は肘を少し曲げて同じ動作を行ってください。
<足首>
1)タオルをまるめて椅子かベンチの下に置いてください。椅子に座り足首を伸ばしてつま先をタオルの上に載せる。そこからタオルを少しづつ回転させるようにつま先を伸ばしてみる。足首の前側にプレッシャーを感じて30秒間伸ばしたままにします。そしてリラックス。これを30秒間x3回行ってください。
2)今度はうつぶせになって足をまっすぐ伸ばしつま先部分にタオルを丸めて置く。そして腕立てをやる感覚で腕をまっすぐ伸ばしてください。そうすると自然につま先部分にプレッシャーがかかり足首を反対側に伸ばすことになります。その状態で10秒間制止する。そして腕を曲げてリラックス。これを10秒間x4回繰り返してください。
3)壁や堤防のコンクリート壁等に並行に腕をまっすぐ伸ばした位置に立ち、足の下にタオルを丸めて置き、そこから腕を徐々に曲げることによってかかと部分を伸ばして行く。伸ばしきったところから10秒間制止して充分ストレッチを行います。ふたたび腕をのばしてかかとをリラックスさせ再びこれを繰り返す。10秒間を4回繰り返してください。もしストレッチ感覚が得られなければもっと壁からはなれて立ってみてください。
(3)STRENGH EXERCISE(筋力運動)
筋力エクササイズは呼吸練習そして肩や足首の柔軟性を養うストレッチングの後に必ず行ってください。スイミングの筋力強化はあくまでスイミングで行われる動作に直接使われる特別な筋肉に対して行うことが重要です。たとえば水泳の動作を想定したVASA SWIM TRAINERやSWIM BENCH等は最適です。ここでは移動でき、なおかつ経済的なチューブトレーニング用具、ストレッチコードなどが限られた時間内での筋力アップにはよいでしょう。(特に天気の悪い日などは水中でのアップをおこなって体温を落としてしまって体調を壊すよりもチューブなどをつかってストロークシュミレーションで汗をかくほうが身体にはよい。(ストレッチコードの練習メニューに関しては別添を参照)
(4)SWIM PREPARATION EXERCISE(レース準備練習)
最後に入水し、ウオームアップスイムをおこないますが、通常のプールでのアップと違いここではなるべく身体を冷やすことを避けるために短時間(10分程度)で行う必要があります。
その為にスイムの練習を行うのではなく、以下の事柄に絞って行ってください;
- 目標を定める。
コース取りを考える。コース全体を見渡し自分が泳ぐコースをあらかじめ想定する。
2)水温・波の状態・潮流などをチェックする。
3)第一コーナーまで泳いで見る。
泳ぎながらその日の状態を自分の身体で体感する。特に天気の悪い日などはだらだらと長い時間費やさずにレース直前に何本か第一コーナーまで泳いで最後に少しピッチを上げて泳ぎ,すぐに止める。また前日悪天候だった場合には浮遊物があったりするのでそれにも注意を要する。
4)スタート練習をする。
オープンウオーターはスタートが非常に大事。その為に当日のスタートがどういう方法で行われるのかをチェックし、試してみること。